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二重らせん構造のDNAを一本鎖にし、コンパクトに丸めてスマートナノマシンの中に封入する技術を世界で初めて確立

二重らせん構造のDNAを一本鎖にし、コンパクトに丸めてスマートナノマシンの中に封入する技術を世界で初めて確立。その成果は、インパクトファクター 13.9 を誇る世界的にも名高いACS Nano に掲載されました。この技術を用いて、細胞毒性が強く抗がん剤として臨床でも使われる5-フルオロウラシル (5-FU) をその前駆体 5-フルオロシチジン (5-FC) から合成する酵素の一本鎖DNAをコンパクトに丸めてナノマシンに搭載。その静脈注射でマウスのすい臓がんでの有効性が認められたことは、小さく丸めた一本鎖DNAでも、がん細胞内で機能が十分発現し、細胞毒性の強い5-FUを産生することを実証するものです。すい臓がんを含む難治性がんでは間質がバリアとなって、がん組織深部への遺伝子送達が容易ではありません。本発明により、難治性がんでの新たな治療法が進むことが期待できます。また、一般的に遺伝子治療で使うウイルスベクターは搭載できる遺伝子のサイズに制限がありますが、ナノマシンを応用したこの技術はこれまで不可能とされていたサイズのDNAを搭載することが可能で、遺伝子治療の幅が大きく拡がることになります。

10/25 に川崎商工会議所にて開催した記者会見では、片岡一則(iCONMセンター長)、長田健介(量子科学技術研究開発機構・主任研究員)、Theofilus A. Tockary(iCONM 研究員)が、その詳細を発表し、遺伝子治療に詳しい一般紙科学部やバイオ専門誌のジャーナリストたちとの深いディスカッションで盛り上がりました。

尚、本研究は、文部科学省・科学技術振興財団「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」「さきがけ」および日本学術振興会「科学研究費助成事業」「研究拠点形成事業」のご支援のもと、量子科学技術研究開発機構と共同で実施されたものです。

論文はこちら


片岡一則 センター長

長田健介 主任研究員

 Theofilus 研究員

会場の様子

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