iCONM KiDS あいこんきっず

お知らせ

2026.05.29

川崎総合科学高校科学科2年生の生徒が
iCONMを見学し、研究者と交流

5月22日、川崎総合科学高等学校科学科2年生35名が、殿町国際戦略拠点キングスカイフロント(KSF)を訪れました。川崎総合科学高等学校は、川崎市で唯一の科学科を設置する高校です。そんな理科好きな生徒たちに健康・医療分野の最先端研究が行われている研究施設を見学してもらい、研究者との交流を通じて、学校での授業内容が社会にどう結びついているかを知ってもらうことを目的としています。同校のKSF見学は2016年から毎年行われており、今回ここで見聞したことを糧として、進路デザインや仕事に役立ててもらいたいと思います。

冒頭、川崎市臨海部国際戦略本部よりKSFについて説明があった後、島﨑 眞・コミュニケーションマネジャーより、iCONM/CHANGEについて説明を行いました。今回来訪した生徒たちは、プロジェクトCHANGEの活動の一環として、9月に看護×工学に関する出前授業を受け、11月には市立川崎高校福祉科の3年生と合同ワークショップを行うことになっています。少子高齢化による看護人材の不足により、将来は家族を見守るために在宅医療をすることになるという現実を自分事とし、その際に必要となるケアの知識を育むことで科学科の自分たちに何ができるかを考えてもらいます。

その後、生徒たちは4班に分かれてiCONMを見学しました。

★iCONM1階:微細加工によるデバイス(機器)製作
クリーンルームと精密工作室を見学。前者では、とても小さな「診断マイクロデバイス」の開発が行われています。目に見えないホコリでも流路を塞いでしまうので、ホコリをシャットアウトしたラボが必要です。また、精密工作室では、マイクロ針と呼ばれる短くて細い注射針の研究開発が行われていて、注射はもう痛くありません。

★iCONM2階:精密化学合成
ナノマシンを構成する分子を化学合成します。この分子設計に応じて治療薬だけでなく診断薬やmRNAを搭載し、狙った組織だけにそれらを届けることが可能となります。身体に害がある有機溶媒を多く用いるため、写真にもある強力な換気機能をもつ「ドラフトチャンバー」内で実験を行います。この階には、反応混合物を分離精製し、得られた化合物の構造決定を行う機器類が揃っています。

★iCONM3階:細胞を使った医薬品評価(in vitro 研究)
2階で合成したナノマシンの有効性と安全性をヒトの細胞を用いて評価します。iCONMでは主にがん細胞を使った研究が主なので、BSL (Bio-Safety Level) 1のラボが多くあります。この階には、細胞表面の観察を行うフローサイトメトリーや、ナノマシンのサイズを測定するゼータサイザー、遺伝子を増幅させるPCR、一定の深度での観察を可能にした共焦点レーザー顕微鏡など、ナノ医療研究には不可欠な機器が揃っています。

★iCONM4階:動物を使った医薬品評価(in vivo 研究)
動物実験は、ヒトへの投与(臨床試験)を行ううえで不可避な評価研究ですが、3階の細胞研究で確かな安全性と有効性が確認した場合に限り行うことができます。動物実験委員会が実験計画書を審査し、動物実験の妥当性や動物の匹数などを厳格にチェックします。動物の飼育は専門の業者が行い、動物が感じるストレスを均一にしています。

生徒たちは、一つの建物の中で素材研究から有機合成、細胞実験、動物実験までが体系づけられて行われていることに驚いた様子でした。率直な質問も多くなされ研究やものづくりへの興味・関心をさらに深めている様子がうかがえました。

午後には研究者との意見交換会を実施しました。iCONMからは神田 循大主任研究員、佐藤 秀介主任研究員、Guo Haochen研究員が参加し、進路や研究職に関する質問に答えました。「理系でも国語を大切にすること」「プレゼンテーション名人になろう」「夢中になれることを探そう」等、自身の経験に基づいたアドバイスが送られました。
以下は参加した生徒たちからの感想です。

・研究職がどのような仕事なのかイメージが持てるようになった。選択肢の一つとして考えたいと思った。
・自分の研究について語る研究者がとても楽しそうに見えた。興味があることについて研究ができる研究職の魅力を感じることができた。
・進路を一つに絞るのも良いが、様々な分野に寄り道をして知見を得ることも良いと教わった。自分の考えが広がる良い機会になった。

今回の見学会の様子は、5月22日のテレビ神奈川イブニングニュースで紹介されました。