ミセル
みせる
Micelle
親水性(水と馴染みやすい)部分と疎水性(水を弾きやすい)部分を同時に持つ化合物を水中に投じると、親水性部分は外側に、疎水性部分は内側を向いて球状に集合する。この集合体のことを「ミセル」とよび、身近なものでは洗剤の泡がある。油汚れをミセルの疎水性部分が溶かし、ミセルに内包させることで水洗いができるようになる。薬物送達システムとして用いる場合は、リンカーと呼ばれる物質で薬剤を疎水性部分に繋ぎとめておく。投与前に水中に投じてミセルを形成させたものを静脈注射する。体内で壊れやすい薬剤を保護するとともに、リンカーが送達先の病変部の環境(例えば、がん組織であれば酸性)に応じて切れ、薬剤が放出されるように設計することもできる。