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お知らせ

2025.12.11

川崎市立川崎高校福祉科 × 川崎市立川崎総合科学高校科学科合同ワークショップを開催しました

11月26日、文部科学省・科学技術振興機構による「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)川崎拠点(プロジェクト CHANGE)」の一環として、川崎市立川崎高校福祉科および川崎市立川崎総合科学高校科学科による介護負担をテーマとした合同ワークショップを開催しました。本イベントに際し、両校では9月に出前授業を行い、少子高齢社会の医療問題や看護ケア業務への負担について生徒たちの理解を深めました。

異なる専門環境で学んできた総勢64名の高校生が総合科学高校本棟15階に集まり、島﨑眞 CHANGE副プロジェクトリーダー(iCONMコミュニケーションマネジャー)からファシリテーターの紹介およびグループワークの説明を受け、看護や工学にまつわるクイズでアイスブレークした後、班ごとに自己紹介を行い、グループワークに入りました。
まずは、介護実習経験が豊富な福祉科の生徒から介護現場におけるニーズを聞き出す作業をスタート。人材不足・高齢化・資金不足といった社会的な課題、体重測定や排泄・入浴介助といった肉体的・精神的負担の大きい業務など、多様なニーズが挙がりました。
それらのニーズをもとに、科学科の生徒が理工学的な知識を活かし、改善策のアイデアを提案し、福祉科生徒が現場の視点で意見することを繰り返すデザイン思考の訓練となりました。
科学科の生徒は介護負担軽減のための機械やAIの導入を考えますが、福祉科の生徒からは「機械を使うための時間が取れない」「使い方の教育を誰が行うのか」「そもそも導入資金が不足しているのでは」といった現場ならではの意見が挙がりました。
議論を重ねるうちに、どの班でも個性あるアイデアが形づくられ、発表前の休憩時間になっても誰ひとり席を離れず議論を続ける姿から、関心の高さがうかがえました。

各班の発表後には質疑応答の時間を設けました。
他班の生徒やファシリテーターの意見を受け、新たな課題や解決策を見つけることができました。

最後に、川崎市経済労働局の末繫泰弘課長、川崎市看護協会の堀田彰恵会長、八木美智子常務理事より、「新しい技術を導入するには、現状の常識を変えていく必要がある」「高校生ならではの視点が生んだ画期的なアイデアに驚いた」などのご感想をいただきました。

参加した生徒からは、
「自分にはない視点を知ることができて良い経験になった」
「現場の苦労話を聞き、普段以上に工夫を考えることができた」
といった声が寄せられました。
科学科の生徒たちにとっては、福祉科の生徒から聞くことがすべて新鮮で、また、とても他人ごとではないことを理解し、真剣な表情でアイデアを絞り出しているのが印象的でした。また、福祉科の生徒たちにとっては、介護現場の実際を聴いてくれる高校生が目の前にいることによろこびを感じ、状況を理解してもらおうと熱心に説明していました。休憩時間になっても誰も席を立たず、終了後もまだディスカッションする生徒たちもいて、両校の先生方からも満足度の高いイベントだったとのフィードバックをいただいております。3月5日に開催されるCHANGEシンポジウムには、各校から2名ずつ登壇し、この ワークショップからのフィードバックをしていただきます。

各班の発表内容に関し、理系の高校生・大学生を対象とした媒体「サイエンス学びラボ」で詳細に報道されています。
https://science-manabi-lab.com/topics/t-article63/