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11/11、iCONM市民公開講座「ナノマシン研究の最前線」を開催しました
11/11(土)、市民公開講座をオンライン開催しました。難治がん対策に今や不可欠となる「がん微小環境」の克服に関する研究について、喜納宏昭・iCONM主幹研究が紹介し、免疫細胞が入り込めない難治がんとして悪性脳腫瘍での化学免疫療法が動物実験で奏効した事例を紹介しました。
また、宮田完二郎・客員研究員(東大院・工・教授)からは、陰性に荷電する核酸類に対し、ポリエチレングリコール鎖を2本有する塩基性アミノ酸ポリマー(正電荷に荷電)が動的平衡を保ってうまく会合し、安定した正四面体構造のポリイオン複合体 (uPIC) が形成されることをアニメーションで分かりやすく説明しました。
この uPIC は、大きさが15nm と、腎臓からの排泄 (<10nm) に抵抗し、しばしば薬物送達の障害となる線維組織を潜り抜けられることから、今後の応用に期待できます。さらに、西山伸宏・主幹研究員(東工大・教授)からは、そのままでは薬にも害にもならない極少量の抗がん剤を患部に届けて超音波を当てると、その部位だけを壊死させることができる「切らない手術」について紹介がありました。
全体として参加者からは「やや難しかったが、ナノ医療の進歩を実感できた」「先端研究の第一線でご活躍の先生方のご講演を聞けた」「初めての方から詳しい方まで幅広い方が興味を持てるように話してくださった」という声が寄せられました。
今後も市民公開講座を企画しますので、どうぞよろしくお願いいたします。