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ライデン大学(オランダ)からマティアス・バーツ教授が来所し、第5回iCONM/CHANGE学術セミナーの講師を務めました。
7月8日、ライデン大学(オランダ)附属ライデン・アカデミック・センター(LACDR)より、マティアス・バーツ教授がiCONMを訪れました。バーツ教授は、ポリマーをベースとしたナノ医療領域における新進気鋭の研究者のひとりとして知られています。バーツ教授のチームは、ポリペプチドとポリペプトイドのハイブリッド材料、ポリサルコシンなどを開発しました。100以上の科学論文を執筆し、6350の引用を受け、h-indexは44(Google Scholar)という実績の持ち主です。
バーツ教授は、国際的にも名高いインキュベーター “BioLabs”と iCONM のコラボレーションスペース (iCONM in Collaboration with BioLabs)などiCONMの施設見学を行い、午後に開催された第5回 iCONM/CHANGE学術セミナーでは「がん治療におけるペプチド類とぺプトイド類」と題して大変示唆に富んだ講演を行いました。ミセル形成、コア架橋、機能化、精製などの工程を統合したペプトミセルの連続フロー製造プロセスについて紹介した同教授は、アデニルシクラーゼ阻害剤であるMDL12330Aをペプトミセルに封入した製剤が、腫瘍特異的に内含する薬剤を放出し、環状アデノシンモノリン酸(cAMP)産生を抑制することにより、抗腫瘍免疫を回復させると説明しました。 バーツ教授はまた、寛容原性マクロファージを標的とする酸化鉄ナノ粒子ペプトミセルに関する研究についても紹介しました。さらに、脾臓への臓器特異的mRNAデリバリーのために設計されたポリサルコシン脂質ナノ粒子について、また、二次リンパ系臓器の細胞を標的とした抗体結合ポリサルコシンの送達についても述べました。
講演後は、iCONM研究者数名とともに研究談議に花を咲かせネットワーキングと情報交換を促しました。